税理士事務所を引き継ぐことは、決して簡単なことじゃない

事業承継
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税理士

最近は、中小企業の事業承継がとても多くなっています。
これは税理士事務所も例外ではありません。
しかし、税理士事務所の事業承継は決して簡単なことではありません。
従業員の問題や、顧問先の問題など、さまざまな要因が重なるからです。
税理士事務所の事業承継についてまとめました。

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最近の中小企業の事業承継事情

東京商工リサーチのデータによると、2018年の社長の平均年齢は61.73で、休廃業・解散した企業の社長の平均年齢は、69.61歳となっています。
また、2018年中の倒産件数は8,235件であるのに対し、休廃業件数は4万6,724件と倒産の約5.6倍です。

倒産件数と休廃業

これらのデータは、中小企業の事業承継がいかに難しいかを物語っています。

ひと昔であれば、息子や娘が2代目として家業を継ぐことが当たり前でした。
しかし、働き方の多様化や、長く続く不景気の影響もあり、家業を継がないケースが多くなっています。
私の関わっているお客様もそういった会社が多いです。

また、いざ後継者へ事業を引き継ごうと思ったとしても、引き継ぎに当たって予想以上の税金が発生してしまい、スムーズに事業承継がおこなわれないといったケースもあります。
ですから、政府としても事業承継問題を深刻に考えているようで、事業承継税制の柔軟化や、親族以外にも使えるようにするなどの対策をしています。

しかし、この事業承継税制も一般にはまだまだハードルが高いのが現実です。
そういった事情もあり、最近は中小企業のM&Aも増えてきています。

 

税理士事務所も事業承継が増えている

私の働いている税理士業界も事業承継をするケースが増えています。

税理士の平均年齢は60歳以上と他には類を見ない超高齢な業界です。
そして、2代目3代目がとても多いです。
そんな税理士事務所にも事業承継の波がきています。

税理士事務所が事業承継をする場合は

①息子、娘に引き継ぐ
②職員(税理士資格取得者)へ引き継ぐ
③他の税理士事務所へ引き継ぐ
④税理士法人の支店になる

の4つが考えられます。

①はいわゆる代替わり、②はのれん分けと言われるものです。
この中でも最近は③の「他の税理士事務所へ引き継ぐ」だったり、④の「税理士法人の支店になる」といった事例が増えています。
税理士業界も後継者不足なのです。

そういった事情から、会計ソフト会社の関連会社が税理士事務所のM&Aをやっていたりします。

 

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税理士事務所を引き継ぐのは簡単なことではない

税理士事務所の場合、事業を承継するのは簡単なことではありません。
事業を承継するということは、顧問先を引き継ぐということです。

M&Aの場合は、年間の顧問報酬の何年分とかの金額で営業権の売買を行うのが一般的なようです。
しかし、顧問を継続するかどうかは顧問先の自由なので、一旦引き継いだとしてもその後顧問契約が終了してしまうケースもありえます。

顧問先からすれば、先代の税理士を頼って顧問契約を結んでいたわけで、それが突然変わるとなると解約したくなるのもわかります。
そういった事情から、交渉が難航することが多いようです。

ありがたいことに、私自身は独立にあたって、今担当している顧問先を何件か引き継がせていただけそうです。
今の時代、のれん分けをしていただけることは本当に稀なことだと思うので、今の先生には頭が上がりません。

しかし、顧問先を引き継ぐということはその想いも引き継ぐということです。
独立して、仕事のやり方は変わると思いますが、先代(今の先生)の想いは引き継いでいこうと思っています。

 


□編集後記□
事業承継について思うことがあり、今回の記事を書きました。
そうやって自分の想いを表現できるのがブログのよいところです。
ブログをはじめて本当に良かったと思っています。

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