2019年9月21日に細野祐史税理士事務所を開業することとなりました。
独立準備中にホームページを作成していたのですが、特に悩んだのが報酬の価格です。
今までは雇われの身ですから、きちんと値付けしたことはありませんし責任もありませんでした。
しかし、独立後は全て自分で決めなければなりません。
どういう報酬体系にすれば、お客様に納得していただけるかを考えたことで気づいたのは、
価格を決めるうえでは大切なことは、「公平」「わかりやすい」「内容が明確」だと言うことです。
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報酬の価格はホームページに公開する
報酬の金額を考える前に、報酬をホームページに記載するかしないかという選択があります。
私と同じようなひとり税理士の方は細かく料金を書かれている方が多いですが、他の税理士事務所のホームページを見てみますと、具体的な金額を書いてある方はまだまだ少数のようです。
また、料金の記載があったとしても「顧問料月額1万円〜」とか、「料金は応相談」と書かれていたりします。
一般的には、料金はなるべく細かく書きたくないという考えの方が多いようです。
さらに、ホームページがあればまだ良い方で、ホームページが無い税理士事務所も多く存在します。
そういった事務所は報酬規定自体も無いこともあり、実際の料金も所長の裁量一つで決定されることもあります。
私の場合は、最初から料金はホームページ上に記載すると決めていました。
そして、料金はなるべく細かく記載しようと思っていました。
その理由は次に料金を決めるうえで大切なことにもつながりますが、「公平な価格」にしたいと思ったからです。
料金を決めるうえで大切なこと
料金を決めるうえでは、次のことが大切です。
- 誰に対しても公平な価格であること
- わかりやすい価格であること
- サービス内容が明確であること
では、ひとつずつ見ていきましょう。
誰に対しても公平な価格であること
料金は誰に対しても公平であるべきです。
同じ内容の仕事をしているのに、ある人に対しては2万円の料金、そのほかのある人に対しては1万円の料金をもらうようでは公平であるとは言えません。
飲食店の場合で、お客さんによって同じ料理の価格が違うということはありえないでしょう。
しかし、私たちのような業種、特に税理士業の場合はそのようなありえてしまうのです。
それは、「サービスが目に見えない」「全く同じサービスというのはありえない」という理由があるからです。
私たちのサービスは、料理のようなモノを売るわけではありません。
また、全く同じお客様もいませんので、お客様ごと対応や内容を変えたりする必要があります。
ですから、同じような事業規模のお客様であっても、お客様の業種や望まれることなどで料金が違ってくるのです。
私も値付けをするにあたって、このあたりはすごく悩みました。
出来るだけ公平な価格にしたいと思っていましたが、すべてにおいて公平な価格は不可能だと気づいたからです。
そこで私の場合は、「年間の面談回数」と「事業の規模」に応じて価格を決めるようにしました。
もちろん、年間の面談回数が多くなれば価格が高くなり、事業の規模が大きくなれば価格を高くするといったカタチです。
それに加え、記帳代行がある場合はプラスいくらなど、作業量に応じて価格を設定しました。
こうすることでなるべく公平な価格を実現させています。
わかりやすい価格であること
価格は誰が見てもわかりやすくないといけません。
公平な価格を設定しようとするあまり複雑な価格体系にしすぎて、合計でいくらになるのかわかりずらいようでは意味がありません。
お客様は、結局合計でいくらなのかを知りたいはずです。
また、消費税については税抜価格表記よりも税込価格表記の方がわかりやすいでしょう。
私自身スーパーなどで買い物するたびに、税抜価格ではなく税込価格で表記して欲しいと毎回感じます。
10月以降は軽減税率が開始されますから、税込み価格の方が良いと思う回数も増えることでしょう。
ですから、私の事務所ホームページの価格も税込価格で表記しています。
サービス内容が明確であること
当然ですが、その価格でどのようなサービスが受けられるかは明確でないとなりません。
税理士業であれば、顧問料にどのようなサービスが含まれているかということです。
「給与計算は含まれているのか?」
「年末調整業務や、償却資産税の申告業務は含まれているのか?」
などです。
私の話ではありませんが、「顧問契約に相続税の申告料金も含まれていると勘違いされた」という税理士の事例も聞いたことがあります。
こういったことが発生した理由は、サービスの内容が明確に表示されていなかったからです。
これは税理士の業界に限ったことではありません。
その業界では常識であっても、お客様にとっては常識では無いことはよくあることです。
ですから「その料金でどこまでやるのか」「追加料金が発生する場合」は明確に表示する必要があります。
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最も大切なのは納得して契約していただくこと
「公平」「わかりやすい」「内容が明確」な価格を決定して終わりではありません。
最も大切なことはお客様に納得して契約していただくことです。
どんなに高い価格でもお客様が納得しているのであればお客様にとっては良い価格でしょうし、どんなに安い価格でもお客様が納得していないのであればお客様にとっては良い価格ではありません。
お客様に良い価格だと思っていただくためには、契約時の事前の説明を十分にして、納得して契約していただくことが必要です。
税理士業のような「サービスが目に見えない」「全く同じサービスというのはありえない」のであればなおさらです。
そのためには、お客様が事前に他のサービスと十分に比較し、検討していただくことも大切です。
□編集後記□
今日は午前中にお客様のもとへ訪問、その後昼から名古屋でミーティングを兼ねてランチという1日でした。
雇われの時は、平日に名古屋でランチをすることはありませんでしたから、独立すると変わるなあという実感をしています。
その後はトシ・ヨロイズカで妻にお土産を買って帰りました。
ちなみにご本人が接客されていました。
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