「もっと早く相談していただいたら」そう思ったことは1度や2度ではないのです

税理士

税理士に相談するタイミングについて思うことを書き連ねてみました。
なるべく早くが鉄則です。

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もっと早く相談してくれていたら

「もっと早く相談してくれていたら・・・」

税理士事務所で仕事をしていると、そう思うことは日常茶飯事のことです。

僕自身、雇われていた時は新しい相談があるたびにそう思っていましたし、独立してからいただく相談の8割くらいでもそう思わざるを得ない状況です。

なぜこういったことがよく起こってしまうのかを考えると、納税者側、税理士事務所側の双方に要因があるように思います。

納税者の方の要因としては、

  • とりあえず自分でやってみてどうしようもなくなってから相談しようと思う
  • 後回しにしてしまう
  • どこに相談すれば良いかわからない
  • そもそも相談が必要だとは思っていない(楽観的に考えている)

こういったところでしょうか。

納税者の方が、「できるだけコストをかけず自分でやりたい」と思うことは至極当然のことですし、個人的にもご自身でできるのが1番だと思います。
しかし、いざやってみたはいいけれど、やっているうちによくわからなくなってしまうことが多いようです。

例えば、フリーランスの確定申告については、所得税の知識はもちろん、基本的な会計の知識も必要になります。

最近は「簿記の知識がなくても申告書が作成できる」と謳っている会計ソフトも登場してきてはいますが、そう現実は甘くありません。
最低限、貸借対照表と損益計算書の見方がわかるくらいの知識は必要です。

クラウド会計を使えば、税理士無しでも確定申告ができると聞いた
→よし、クラウド会計を使ってみよう
→とりあえずいろいろ連携してみたけど、ぐちゃぐちゃになってしまった
→自分ではどうにもならないから、税理士へ相談だ。

というケースをよく聞きます。
(実はこれが1番大変なパターンです)

また、相談を受ける側(税理士事務所)の要因としては、

  • 一般の方が相談するには敷居が高い
  • 実はスポットでも相談できるが、メニューを全面的に掲げていない(とりあえず相談スタンス)
  • 顧問契約が前提になりがちで、スポット相談に力を入れていない
  • そもそもスポットでの相談を受け付けていない

といったところが大きな要因のように思います。

最近はスポットでの相談を積極的にメニューとして掲げている税理士事務所が増えてきました(うちもその中の一つです)が、まだまだ少数派のように感じます。

納税者側は「税理士事務所へ相談するのは最終手段」だと思っているのに対し、税理士事務所側は「まず初めに相談してほしい」と思っているわけです。
しかし、上記の要因からその声が届きづらい状況なのです。

 

なぜ税理士への相談は早い方が良いのか?

そもそもなぜ、税理士への相談は早い方が良いのでしょうか?

最終手段ではいけないのでしょうか?

税理士への相談が早い方が良い最大の理由としては

税金の計算を有利にする制度には、利用するための手続き期限が決まっているものが多い

からです。

例えば、フリーランスとして独立して事業所得として申告する場合、白色申告と青色申告とがあります。

このうち、青色申告をするには、「一定のルールに従って帳簿を作成しなければならない」といった制限はありますが、税金が安くなるさまざまなメリットがあります。

しかし、この青色申告をするには、その年の3月15日まで(その年の1月16日よりも後に事業を開始した場合には、その事業開始等の日(から2ヶ月以内)に青色申告の承認申請書を提出し、承認を受ける必要があります。

※2020年については、新型コロナウイルスの影響を受けて提出できない方については、一定の特例があります。

もしその期限より後に提出した場合、青色申告を適用してメリットを受けるのはその次の年からです。

もし、まだ青色申告の承認申請書を提出していない状態で、提出期限より前に税理士に相談していたのであれば、当然青色申告を勧められることでしょう。
しかし、提出期限を過ぎた後に相談していたのであれば、当然その年は青色申告のメリットを受けることはできません。
税理士としては、せっかく相談していただいたのに、その年は青色申告を勧めることができないのです。

また、その他にもちょっとした選択で税金の取り扱いが変わることはよくあります。
「あの時こうしていたら」と思っても遅いのが税金です。

ですから、税金に関することはなるべく早く相談すべきなのです。

97,500円をどう使うかが、青色申告をするかどうかのポイント

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事前に一度相談してみるのがベスト

税金に関することはなるべく早く相談すべきだということはお伝えしましたが、では、いつがベストなのでしょうか。

個人的には、「もし事業をやるのであればその前に」、「税金が大きく関わりそうなこと(不動産の売買や相続など)はそれが起こる前」に相談するのがベストと考えます。

つまり、事前の相談です。

コストはかかりますが、事前に相談することで、最善の選択をすることができますし、今後の不安も取り除かれます。

また、事業の場合は、税金以外にもさまざまな相談をすることもできます。

新たに事業を行う場合で考えると、資金繰り対策として創業融資を利用した方が良いケースが多くあります。
しかし、なんとなく借入に対してマイナスイメージがあることから、大切な自己資金を多く使ってしまう方も多くいらっしゃるのが現実です。

創業融資にはさまざまなメリットがありますが、受けられるタイミングは期限があります。
基本的には、創業前から取り組まなければなりません。

事前にいちど相談することで、今後何かあったときの相談もしやすくなりますし、税理士側も事前に相談をいただいた時の情報があるため対応がしやすくなります。

このように、事前相談はさまざまなメリットがありますので、ぜひ検討していただければ幸いです。

 


□編集後記□
最近の息子(1歳8ヶ月)は、いろいろな言葉を真似します。
昨日、妻が言うには、「ねぇなー」と言いながら何か物を探していたとか。
多分、僕の口癖です。
ごめんなさい。

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