クラウド会計での自動連携で、注意しなければならない3つの支払い

軽油引取税
軽油引取税
会計ソフト・会計処理

クラウド会計には、仕訳の自動連携という便利な機能があります。
とても便利な機能ですが、この機能を使用する際に注意しなければならない取引もあります。
これらの取引についてまとめました。

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クラウド会計での仕訳の自動連携

クラウド会計の仕訳の自動連携機能とは、
「クレジットカードなどの明細のデータを自動的に取得し、仕訳を作成してくれる機能」
をいいます。

従来だとクレジットカードの支払いがある場合、明細を見ながら1件ずつ仕訳を入力しなければならなかったのですが、この機能を活用すれば明細を見なくても入力できるので、仕訳入力かかる時間を大幅に短縮できます。

しかし、この便利な機能も気をつけならなければならない点があります。
それは、消費税の取り扱いです。

支払いには大きく分けて、「消費税がかかる支払い」と「消費税がかからない支払い」の2つがあります。
これらもAIが自動的に判断してくれればいいのですが、現状は自動的には判断してくれません。

消費税の免税事業者や簡易課税を適用される事業者はこれらを分ける必要ありませんが、原則課税が適用される事業者は、ユーザーがレシートなどを確認して修正をしなければなりません。

 

気をつけなければならない3つの支払い

注意しなければならない支払いですが、代表的なものに次の3つがあります

  1. 軽油を給油した
  2. ゴルフに行った
  3. 温泉に入った

この3つです。

では、ひとつずつ見ていきましょう。

1.軽油を給油した

軽油(ディーゼル)を給油した場合には、軽油引取税(軽油税)という税金がかかってきます。

軽油引取税は、「販売店から軽油を引き取った人が払わなければならない税金」です。
ちなみに、軽油1リットルあたり32円10銭です。
レシートなどを見ていただくと、軽油を給油した場合は軽油代と軽油引取税とに分かれて記載がされていると思います。
軽油代には消費税がかかりますが、軽油引取税には消費税はかかりません。

しかし、クラウド会計ソフトでは合計でしか連携されないので、軽油代と軽油引取税に分けて入力しなければなりません。

例:軽油代合計5,000円(3,500円が軽油代本体で、1,500円が軽油引取税)をクレジットカードで支払った場合

借方 金額 借方消費税 貸方 金額 貸方消費税 摘要
車両費 3,500円 課税仕入れ 未払金 3,500円 対象外 ○○石油軽油代
車両費 1,500円 対象外仕入れ 未払金 1,500円 対象外 ○○石油軽油税

このように、軽油代本体と軽油引取税をそれぞれ課税仕入れと対象外仕入れとに分けて入力します。

または、次のように入力する方法もあります。

借方 金額 借方消費税 貸方 金額 貸方消費税 摘要
車両費 5,000円 課税仕入れ 未払金 5,000円 対象外 ○○石油軽油代
車両費 1,500円 対象外仕入れ 未払金 1,500円 課税仕入れ ○○石油軽油税

1度全体の金額を課税仕入れとして入力し、そのうち軽油税の金額分を対象が仕入れに振替える方法です。

個人的にはこちらの方がおすすめです。

2.ゴルフに行った

会社を経営している人は、取引先とゴルフに行くことがよくあると思います。
実は、ゴルフに行った場合も気をつけなければなりません。

ゴルフ行った場合の明細を見ていただくとゴルフ場利用税という項目があると思います。
ゴルフ場利用税は、「ゴルフ場を利用した人が支払わなければならない税金」です。

ゴルフのプレー代や食事代などは消費税がかかりますが、このゴルフ場利用税には消費税がかかりません。
また、その地域によってはスポーツ振興基金やゴルフ振興基金の支払いがある場合があります。
これらも消費税がかかりません。

ちなみにゴルフ場利用税の税率は都道府県によってまちまちですが、だいたい500円から1,000円くらいです。

例:ゴルフ場で10,000円(プレー代9,300円、ゴルフ場利用税700円)をクレジットカードで支払った場合

借方 金額 借方消費税 貸方 金額 貸方消費税 摘要
接待交際費 9,300円 課税仕入れ 未払金 9,300円 対象外 ○○カントリークラブプレー代
接待交際費 700円 対象外仕入れ 未払金 700円 対象外 ○○カントリークラブゴルフ場利用税

または

借方 金額 借方消費税 貸方 金額 貸方消費税 摘要
接待交際費 10,000円 課税仕入れ 未払金 10,000円 対象外 ○○カントリークラブプレー代
接待交際費 700円 対象外仕入れ 接待交際費 700円 課税仕入れ ○○カントリークラブゴルフ場利用税

3.温泉に入った

取引先と温泉旅行へ行ったときも注意が必要です。

温泉に入った場合、入湯税という税金がかかります。
入湯税は、「温泉を利用した人が払わなければならない税金」です。

入浴代や宿泊代は消費税がかかりますが、この入湯税には消費税がかかりません。

ちなみに入湯税は1人1日につき150円です。

例:取引先と温泉旅館へ一泊の旅行に行き20,000円(宿泊代19,850円、入湯税150円)をクレジットカードで支払った場合

借方 金額 借方消費税 貸方 金額 貸方消費税 摘要
接待交際費 19,850円 課税仕入れ 未払金 19,850円 対象外 ○○旅館接待旅行代
接待交際費 150円 対象外仕入れ 未払金 150円 対象外 ○○旅館入湯税

または、

借方 金額 借方消費税 貸方 金額 貸方消費税 摘要
接待交際費 20,000円 課税仕入れ 未払金 20,000円 対象外 ○○旅館接待旅行代
接待交際費 150円 対象外仕入れ 接待交際費 150円 課税仕入れ ○○旅館入湯税

また、入湯税と似たようのもので、宿泊税というのもあります。
この宿泊税は最近導入が進んでいるもので、現在は東京都、大阪府、京都市、金沢市で導入されています。

 

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まとめ

クラウド会計での自動連携の際、気をつけなければならない3つの支払いを見てきました。
これらの支払いは税務調査で確実に確認されるところですので、入力する際は気をつける必要があります。

また、これら以外の支払いでも、消費税の判断をしなければならない支払いは多くあります。

自動仕訳は便利ですが、消費税の入力には十分注意してください。

 


□編集後記□
昨日は、オープンハウスの見学に行ってきました。
特に家を建てる予定はないのですが、近所にやっているところがあったので。
いつかは一軒家がいいなとは思いました。

□読了本□
教養としての「税法」入門[本/雑誌] / 木山泰嗣/著

税法の成り立ちなどを分かりやすく解説しています。
教養としてのというタイトルですが、全く税法の知識がない人は難しいかもしれません。
税理士試験では税法の成り立ちなどは学ばないので、勉強になりました。

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