税理士事務所にとって、「どのようなお客様を対象にするか」ということは事務所の方向性を決定する上でも、とても重要なことです。
お客様の入り口を広くして対象を広くするのも戦略ですし、逆に入り口を狭くして対象を絞るのも戦略です。
私の場合は、「狭い入り口を複数設けたい」と考えています。
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入り口を広くする
入り口を広くするには、対象とするお客様を絞らないことです。
一般的な税理士事務所は、対象となるお客様を絞らず入り口が広い傾向があります。
業種や規模を特に絞らず、依頼されたことを全て断らなければ入り口は広い状態です。
来るものは拒まずといった感じです。
また、無料相談を実施するのも入り口を広げるには有効でしょう。
入り口を広くしておけば見込み客が増えますので、お客様を最大限まで増やせます。
独立してすぐの場合は、少しでもお客様を増やしたいので、出来るだけ入り口は広くしておきたいのが心情です。
しかし、入り口を広くしすぎると、意図しないお客様がいらっしゃる可能性があります。
私の場合は、「大量の記帳代行」や「24時間対応」、「組織再編」や「事業承継税制」などは、対応が困難です。
こうしたミスマッチが発生してしまうと、お客様にとっても良くありませんし誰も得しません。
ひとり税理士の場合は、できないことも多くありますので、入り口を広くしすぎるのも良くないでしょう。
入り口を狭くする
入り口を狭くするの1番有効なのは、対象となるお客様を絞ることです。
業種や規模を絞ったり、やらないことを決めておけば対象となるお客様が絞られます。
入り口を狭くする最大のメリットは、自分のやりたいことだけをやれるということです。
「記帳代行はやらない」と決めて事前にお客様にお伝えすれば、記帳代行の仕事をすることは無くなります。
ホームページで事前にやらないことを書いておけば、ミスマッチは減ります。
しかし、最大のデメリットは、「自分のやりたいことだけやって食べていけるとは限らない」ことです。
というか、最初は絶対に食べていけないでしょう。
私の場合最近は、「独立をする」ということを伝える機会が増えました。
ある程度親しい間柄ですと、当然「独立後の売上は大丈夫なのか？」という話になります。
そこで、「何でもかんでも仕事を受けるのではなく、ある程度お客様を選びたい」ということを伝えると微妙な反応になります。
きっと「自分のやりたいことだけで食べていけるわけない」とか「甘い考えだ」とか思われているのでしょう。
普通の方々の反応はそんなものです。
そう思われるのは仕方ないことですし、私自身も「やりたいことだけやって食べていける」などとは思ってはいません。
しかし、最初から理想を諦めてしまったら、理想に到達することはありません。
税理士試験も、「合格できたらいいな」ではなく「絶対に合格したい」と本気で思えなければ合格できません。
ですから、私の場合はホームページに対応できないお客様を表記し、ある程度入り口を狭くします。
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狭い入り口を複数設ける
入り口を広くするか狭くするかよりも重要なことは、「入り口を複数設ける」です。
従来の税理士事務所といえば、お客様の獲得は紹介のみでした。
現在も紹介が主流ではありますが、少しずつ傾向は変わってきています。
最近は、税理士でもブログやメルマガ、Twitterなどをやっていたり、ホームページがあるのは当たり前となってきています。
また、税理士YouTuberの方もちらほら見られます。
私も今ブログを日々更新していますが、ブログをやっている税理士は珍しくありません。
ですから、ネット戦略だけではなかなか強みにはなり得ないところです。
しかし、入り口を複数設けるという意味では、ホームページやブログをやるというのは有効なことであると考えています。
紹介だけですと、紹介という大きな枠組みで考えると入り口はひとつです。
それに対してホームページやブログがあれば入り口がひとつ増えます。
私の場合は、ブログをやっているということを名刺交換の際の話題とするようにしています。
TwitterなどのSNSもやっていれば、入り口がまたひとつ増えます。
（今はSNSにあまり力をいれていませんが、今後どうするかはわかりません。）
入り口を複数持てば、その入り口を組み合わせることができます。
例えば、「ホームページだけで集客」や、「ブログだけで集客」というのはなかなか難しいものです。
中には上手に集客されている方もいらっしゃいますが、私の場合はそうではありません。
ですから、複数を組み合わせて、
「私のことを人づての紹介で知った方が私のブログを見ていただき、考え方に共感して申し込みをしていただく」
といったような、活用ができたらと考えています。
そして、少しでも私のことを本当に必要としてくださる方と出会えたらと思っています。
□編集後記□
昨日はブログなどの手直しを少々したあと、妻の両親と食事へ。
その後は台風のため、家にいました。
今年のお盆はなかなか充実した日々でした。
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