「節税しろ」という悪魔のささやき

経営術
税理士という仕事をしていて切っては切り離せないワードが「節税」という言葉。
税理士も事業主ですので、税金は払いたくないものですし、僕も常に節税は意識しています。
ただ節税というワードは、一歩間違えると、とても危うい言葉にもなりえます。
例えるとすれば、「悪魔のささやき」のようなものです。

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節税情報が世の中には溢れている

節税情報は世の中に溢れています。

ネットで少し検索すれば、節税の方法を指南しているホームページ、コンサルティング会社、などなど色々な方が節税を提案しています。

参考になる記事は確かにあります。

ただ、中には明らかに脱税じゃないかと思われるような、危ういものも存在しているのも事実です。

僕は曲がりなりとも税理士ですので、その節税方法が真っ当なのか、それとも危ういのかは、ある程度判断ができます。

しかし、一般の方々が常に正しい判断ができるでしょうか。

 

中には、節税をするのが正義で、しないのが悪のような書き方をしているものも見受けられます。

真っ当な節税はやるべきですが、いき過ぎた節税や脱税は、自分自身を傷つけてしまう諸刃の剣ともなりかねません。

では、「節税しろ」という悪魔のささやきに打ち勝ち、正しい判断をするにはどうすれば良いのでしょうか。

 

なぜ節税したいのか?

あなたが節税をしたいと考えたとします。

そうしたときに、次に、「どうやって節税をするのか?」と考えるのではなく、

「なぜ節税をしたいのか」をと考えてみてください。

 

「何を当たり前のことを聞くのか?」

「そんなの言うまでもない」

も思われる方もいらっしゃるでしょう。

 

そう、税金を払いたくないからです。

しかし、なぜ税金を払いたくないのでしょうか。

中には「国が信用できない」、「国に税金を払うくらいなら、慈善活動に寄付をしたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

が、ほとんどの方が「お金が減るのが嫌」ということだと思います。

そう思うことは真っ当なことです。

しかし、問題なのはその次です。

 

きっと、節税をしようと思ったときに真っ先に思いつく手法は

「経費をたくさん使う」

というものでしょう。

経費をたくさん使えば、確かに支払う税金自体は減ります。

しかし、経費を使っているので、それ以上にお金が減っているはずです。

100の経費を使っても税金は100以上に安くなることはありません。

多くても50くらいです。

そう考えると、単純にお金を使って節税するというのも考えものです。

 

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税金を払うことは悪いことではない

もちろん、事業活動において必要な経費を使うことは大切なことです。

ただ、不必要なものを購入してまで税金を安くするのは、お金がなくなってしまい、本末転倒につながりかねません。

世の中に溢れている節税商品なども同様で、確かに税金は安くなるけれど、それ以上にお金が出ていってしまうものも多くあります。

中小零細企業や個人事業主にとって1番大事なのは「お金」です。

「節税をしろ」という悪魔のささやきは魅力的ですが、ときには税金を払ってでもお金を残すことを優先させるということを考えてみてください。

 


□編集後記□
最近、いきなり雨が降ったりして、偏頭痛持ちには辛い季節になってきました。
年々ひどくなってきているような気がします。
偏頭痛持ちだし、腰痛持ちだし、太ったし(自業自得)、もうすぐ35歳になるので、ここで本気で自分の体のことを見つめなければならないと思い、先日初めて人間ドックに行ってきました。
バリウム検査があんなにアクロバティックだとは思っていませんでした。

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